鼻隠しと破風って何?劣化度別3つの修理方法について解説します!

鼻隠しと破風って何?劣化度別3つの修理方法について解説します!

この記事では、建築専門用語「鼻隠し」(はなかくし)「破風」(はふ)について解説します。この二つは屋根において重要な部分で約30年が寿命と言われています。

今回は「鼻隠し」(はなかくし)「破風」(はふ)の役割や種類とともに

・修理が必要になる場合にはどのような手順で直せば良いのか?
・修理時期はいつ頃が適切なのか?

についてもご紹介します!

屋根の修理をそろそろ検討されている場合には屋根の知識から修理の方法まで知っていただけるのでぜひ最後までお読みください!

執筆者プロフィール
長嶋 燿一(ナガシマ ヨウイチ)

口コミの良い塗装会社を調べるため、関西の約150社の塗装業者を中心に徹底的に分析。

実際に塗装会社に足を運び、ネットだけでは手に入れられない情報を発信していきます。

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鼻隠し・破風ってなに?

屋根の重要な部分で、屋根の端にある横板です。鼻隠しと破風は見た目も用途も似ていて、同じ側面にある板どうしですが、違いとして雨樋がついているのが鼻隠し、ついていないのが破風になります。

鼻隠しとは

鼻隠し・破風ってなに?

鼻隠しは屋根の先端に対して水平に取り付けられる板のことです。

鼻隠しと破風はほぼ同じ役割を持っていますが、雨樋があるのが鼻隠しになります。

つまり雨樋の裏側にある板のことをさします。また鼻隠しは、雨樋と共にベランダなどの軒先にあることがほとんどです。

破風とは

破風とは一体何?

破風は材料によって板状でできているので破風板と呼ぶこともあります。文字通り「風を打ち負かす」という意味があります。主に屋根材の下に風や雨が入って、屋根を痛むのを防ぎます。

このように建築には必要な部材なのですが、最近では鼻隠しと破風を取り去ったすっきりしたデザインの住宅も見られます。鼻隠しや破風がないことで角ばった印象になり、モダンに見えます。

一方で屋根の重要な役割を持つ破風と鼻隠しは傷みやすいので、適度にメンテナンスをする必要があります。傷みは屋根の上面の方が起きやすいイメージがありますが、実は側面の方が雨風や日光によって傷みやすいものなのです。

その寿命は20〜30年

痛んだまま放置してしまうと雨樋の破損や屋根の雨漏りにつながってしまうため、修理やメンテナンスが必要になります。

鼻隠し・破風の役割

屋根の強度をあげる

屋根は種類や形状を問わず上からくる風への耐性にはかなり強いのですが、下から吹き上げられるような風にはかなり弱いという性質を持っています。

上から下向きの風に対しては柱や耐力壁で支えることができますが、吹き上げてくる上向きの風に対しては屋根の重みや釘、接着剤の固定力だけが頼りになるのです。

そのため破風板や鼻隠しの板が1枚あることで屋根の吹き上げる風をかなり分散させることができます。

 雨風の浸入防止

台風や強風時の雨は横から雨風が吹き込んできます。そんなとき、屋根と壁の隙間に雨水が吹き込むのを防いでくれます。

屋内に雨水が入り込んでしまうと住宅内部が腐食したり、雨漏りを引き起こしてしまう可能性も高くなります。
また雨が雨樋を通るようになり、壁面の保護も期待できます。

防火性

現在木材を使うことはほとんどなくなりましたが、昔の建築物では雨風への対策も兼ねて、厚みや強度のある木材を使うことでさらに防火性も高める役割がありました。

特に屋根裏は防火剤が使われていないため、延焼しやすいのですが、鼻隠しや破風があることで炎が屋根まで届きづらくなります。
部屋や窓から壁を伝って下から上に伸びていく特性がある炎を食い止めることができます。

 

雨樋取り付け

鼻隠しの上に雨樋を取り付けるため、雨樋のためには合わせて必要になります。またメンテナンスにおいても、同時に修理することが多いです。 

鼻隠し・破風の種類

鼻隠しと破風板は基本的には同じ材質のものを使用します。

板状の破風を破風板といい、破風板の材質には木材系、金属系、窯業系(ようぎょう)の3つの材質があります。以前はほとんどが木材系でしたが、近年では金属系や窯業系が多く採用されています。

木材系

木材系の破風板は、木材用の塗料を塗布して使われます。原材料は主にスギです。

かつては一般的な破風板の材料でしたが、近年では減少傾向にあります。他の材料に比べて防火性や耐久性が低いことが理由に挙げられます。また、木材自身の伸び縮みにより塗装がはがれやすいのも弱点です。

築年数がそれなりに経過しているお住まいの場合は、ほとんどの場合破風板と鼻隠しには木材が使われていますが、修理の際に新しい材質のものに交換になることも多いです。

 

金属系

金属系の破風板の材質は、見た目にツヤがあり美しく耐久性にも優れているため、使われることの多い材質です。

また金属はガルバリウム鋼板が一般的です。ガルバリウム鋼板とは、ガルバリウムという合金で鉄をコーティングしたものを言います。


この金属系の破風板は、火事の際に延焼を起こしにくいというメリットがある一方で、水分によって錆びるリスクがあることがデメリットです。

窯業系(ようぎょう)

窯業系の破風板は、耐久性と耐火性に優れた材料であるため、破風板素材の中で近年利用が増えている種類です主にセメント等の複合材で、セメントは吸水性が高いため、上に専用の塗料を塗って使用されます。

メンテナンスとしては、塗料が劣化すると破風板内部に水が浸入するため、数年に一度塗膜を塗る必要があります。

鼻隠し・破風の劣化別修理法

破風板と鼻隠しの劣化や不具合が発生した場合の補修方法は、ほぼ同じです。

しかし鼻隠しの場合は同時に雨樋交換を行うことがお勧めです。特に木材の鼻隠しは経年劣化の進行が早いため、建築後30年以上が過ぎた住宅には定期的なメンテナンスが求められます。


ここでは破風板、鼻隠しの劣化状態ごとの3つの補修方法をご紹介いたします。

①劣化(軽)には再塗装

状態 → 色や塗膜がはがれかかっている
補修方法 → 塗装、コーティング

塗装

木材だけでなく、金属や窯業系など様々な材質の破風板、鼻隠しに行うことができます。屋根や外壁塗装と一緒に行うことが多いです。

塗装することで、見た目や防水効果を保つことができます。破風板・鼻隠しの補修方法の中では最も安価に行うことができます。

②-劣化(中)には板金巻き

状態 → 木材まで劣化はしていないが塗膜がほとんど剥がれている
補修方法 → 破風板や鼻隠しを板金で巻いて覆う

板金巻き

錆に強く耐久性の高いガルバリウム鋼板で破風板や鼻隠しを包む補修方法です。費用は塗装よりも高くなりますが、耐久性や防火性も高めることができます。またその後のメンテナンスはほぼ不要になるため、今後のメンテナンス費用がかかりません。

劣化(大)には交換

状態 → 塗膜のはがれ、雨樋の歪み、木材の劣化や腐食がみられる
補修方法 → 部分交換や全交換

交換

部分交換、全交換の2種類の方法があります。新しいものに交換するので、耐久性や防火性は高まります。また、部分交換をした場合でも、交換していない本来の部分との差が目立つため、全体の塗装も一緒に行います。
費用は破風板・鼻隠しの補修方法の中で一番高くなります。

一方でどの方法も足場が必要になるので、ご自身では行わずリフォーム会社等に依頼するようにしましょう。

まとめ

いかがでしたか?

今回で「鼻隠し」と「破風」について詳しくなっていただけたかと思います。近所のお家や住宅の建築年数の違いで鼻隠しや破風の違いを見つけてみてください。

鼻隠しと破風は屋根の端にある横板のことで見た目も用途も似ていますが、重要な役割があることを知って頂けたと思います。

雨風や火事から屋根や住宅を守ることができ、デザインや種類にも幅があります。木材、金属、窯業などご自宅の鼻隠しや破風の材質をぜひチェックしてみてください。

ベランダなどから簡単に目視できるので、そこで異常が発見された場合は早めに業者による修理を依頼するようにしましょう。

鼻隠しや破風の寿命は20~30年程度ですのでご自宅の建築年数によって今後のメンテナンスを行ってください。

またメンテナンスの際は足場が必要になります。

一番安価な塗装のみのメンテナンスの場合は、足場を組む料金の方が、鼻隠しや破風の修理代金より高くつく場合もあります。

タイミングが合えば鼻隠しや破風のメンテナンスは、外壁塗装や屋根葺き替えを行う際などに一緒にすることをお勧めします。

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