不動産を通常よりも安く購入する方法として注目を集めている任意売却物件ですが、実際に購入する際のメリットやデメリットについて詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか。
たしかに任意売却物件は安く購入できることもあり、不動産会社によってはおすすめするケースもありますが、知っておきたいデメリットもあります。
任意売却物件を購入する際にはメリット・デメリットについて知識をつけてから検討するようにしましょう。
任意売却物件の意味とは?

任意売却物件とは、何らかの理由で債務不履行になった物件が競売にかけられる前に債権者と話し合いをして、通常のように不動産会社などから売却される物件のことです。
不動産を購入する際には、その不動産を担保に入れ、住宅ローンを組んで買うケースが多くあります。
このローン返済が滞ってしまった場合や滞納してしまった場合などには、債権者である金融機関などは担保の不動産を差押えして、裁判所に競売の申立てをします。
このように金融機関は担保である不動産を売却して、売却額から債券額を回収しようとするのですが、競売では安価で取引されるケースが多くあります。
そのため競売にかける前に話し合いをして、少しでも高価格で売却できる可能性がある任意売却をするのです。
任意売却物件を購入するメリット
(1)一般の不動産よりも安価で購入できる
任意売却物件を購入する最大のメリットは一般の不動産よりも安価で購入できる点です。
これは物件が競売にかけられるまでの限られた期間内に売却をしたいがために、通常よりも低価格で売りに出ていることがあるためです。
具体的には、一般の不動産価格よりも任意売却物件は3割程度安く購入できることがあります。
(2)掘り出し物が購入できる可能性がある
先述したように、任意売却物件には販売できる期間が限られています。
売主は住宅ローン契約が破綻しているため少しでも早く売却しなければならなく、期間内に任意売却できなければ競売にかけるしかありません。
そのため、必然的に販売価格は下げるよりありません。
売主によっては住宅ローンの督促や警告がギリギリになっているため、一般では、まずありえない販売価格で売りに出ている可能性があることから、状況によっては掘り出し物が購入できる可能性があります。
このように任意売却物件には買主には嬉しい金銭的メリットがあります。
しかし価格だけで任意売却物件を購入してしまうと、後で後悔してしまう可能性もあります。
次は任意売却物件のデメリットについて見ていきましょう。
任意売却物件を購入するデメリット

(1)瑕疵担保責任が免責になる
一般的に購入した不動産については、売主が瑕疵担保責任を負いますが、任意売却物件の取引の場合には、売主は物件の瑕疵担保責任を負いません。
つまり免責となるのです。
そのため購入した不動産に欠陥(瑕疵)が見つかった場合においても、売主が責任を負うことなく買主負担となるのです。
任意売却物件を売りに出している方の中には、精神状態が荒れており部屋の管理が行き届いていないこともあるため注意が必要です。
(2)決済までに時間がかかる
任意売却物件は債権者の売買価格の合意に時間がかかることが多くあります。
債務者の場合は売却額が手元に残らないことがほとんどのため、金額に対して無関心のケースも少なくありません。
しかし、債権者からすると少しでも高い金額で不動産を売却して、債務者から金銭を回収したいと考えています。
そのため任意売却物件の決済においては債権者の合意に時間がかかり、難航することも多々あるのです。
(3)債務者の残置物がある
任意売却物件を購入する際には、債務者の残置物が残っていることがあります。
基本的には残置物を残さずに引き渡すことが原則ですが、債務者の中には荷物を処理できず残置物が残ったまま引き渡しになるケースもあります。
先述したように債務者の多くは金銭的な余裕がないことから、気持ちにゆとりを持てず精神状態が荒れていることがあるため、物件の管理が行き届いていないことがあるのです。
(4)値引き交渉に苦戦する
任意売却物件は売り出す期間が決まっているため、市場相場よりも安く購入できることがあります。
しかし債権者の中には少しでも債権を回収したいがために、値引き交渉についてなかなか承諾してくれないことがあります。
任意売却物件であっても、物件の条件や立地などによっては買い手側の競争が激しく、結果的に市場相場と変わらない金額で取引されているケースもあります。
(5)管理費・修繕積立金の滞納金
中古のマンションを探している時にも任意売却物件を見つけることがあります。
中古マンションを所有している場合は、物件の管理費や修繕積立金を毎月支払います。
任意売却物件の場合には売主がこれらの費用を滞納している可能性があります。
他にもマンション内の駐輪場や駐車場などの費用についても同様です。
中古マンションの売買取引を行う際には買主が負担するケースも少なくありませんので、購入する際の費用計画に入れておくことが必要です。
担当の不動産会社に問い合わせれば滞納金額について回答してもらえます。
(6)決済直前に取引中止となることがある
任意売却物件を購入する際に最も注意したいのが決済直前に取引中止となることです。
物件を決めて手付金も支払い売買契約を済まして、間も無く決済・引き渡しの直前というタイミングで取引が中止してしまうことがあるのです。
その理由は売主が突然、「やっぱり自宅を売らない」と言い出すケースです。
債権者に対して支払える金銭がないため任意売却に同意して、自宅を手放す決心をしても最終的に気が変わってしまうのです。
不動産取引の決まりとして、売買契約が成立した後に取引を中止する場合は、手付金の倍額を支払うのですが、債務者には支払う金銭がないため買主は物件選びや手続きなどに費やした労力が全て無駄になってしまいます。
任意売却物件のローンについて
一般的に不動産を購入する際には住宅ローンを組んでから買うケースが大半です。
任意売却物件の場合はローンが残ったまま売却される物件のため、「住宅ローンは組めないの?」と思っている方も多くいらっしゃいます。
しかし、任意売却物件でも住宅ローンを利用することができます。
ただし、通常の住宅ローンよりも審査が厳しい可能性があり、時間が多くかかる場合もあります。
また、制限や手続きが多くなりますので余裕を持って仮審査などの手続きを進める必要があります。
任意売却物件の一覧方法
不動産選びの大事なポイントは信頼のおける会社から購入することです。
任意売却物件の場合は通常の不動産売買の知識とは別で、債権者と交渉をしたり、債務整理の専門知識が必要になります。
そのため任意売却物件の取引を専門にしている会社を利用しましょう。
全国の任意売却物件を一覧できる下記の任意売却物件の専門サイトを参考に物件を探してみましょう。
随時新着物件情報なども掲載されています。

任意売却物件を買うまでの流れ
任意売却物件を取り扱っている不動産会社を選ぶポイントについて分かった後は、実際に買うまでの流れについて見ていきましょう。
買うまでの流れは通常の不動産取引と変わりませんが以下のようになります。
(1)希望条件・予算を決める
まず始めに住みたい物件の条件を決めましょう。
広さや間取り、住宅の種類、住みたい地域、時期について具体的に整理しましょう。
次に不動産価格を決めていきます。
地域や間取り、構造などによっても価格が違うため、不動産会社と相談しながら予算の目安を立てましょう。
(2)物件を探す
希望条件や予算が決まった後は、条件に合う物件を探していきます。
不動産会社の担当者に探してもらいながら自分でも各ポータルサイトで検索してみるのも良いです。
(3)物件を見に行く
条件に合う物件が見つかったら実際に内覧にいきます。
この際に物件だけでなく周辺環境についても確認しておきます。
(4)購入の申込をする
条件に合う物件が見つかったら購入の申込みをします。
各不動産会社の担当者に聞きながら申込手続きを進めていきます。
(5)重要事項説明・売買契約の締結
申込した物件について、不動産会社から重要事項説明を受けた後、売主と売買契約を結んでいきます。
この際に一般的には物件価格の10〜20%程度の手付金を支払います。
(6)決済後・引き渡し
事前に金融機関と保証会社から審査を受け、融資が承認された後は正式な契約を結びます。
住宅ローンを組み残りの金額を支払った後は売主から物件を引き渡してもらい、不動産登記手続きを行い入居します。
任意売却物件を買う際の費用

次に任意売却物件を購入する際にかかる費用についてですが、問題がなければ費用についても通常の不動産取引と変わりはありません。
以下が購入の際にかかる費用となります。
- 不動産取得税
- 登録免許税
- 仲介手数料
- 火災・地震保険料(加入する場合)
- 印紙代(売買契約書に貼付)
- 融資事務手数料(融資を受ける場合)
上記費用は購入する物件によって大きく変わってくるため、不動産会社の担当者に概算金額を聞いておきましょう。
これら通常と変わらない費用に加えて任意売却物件の場合は思わぬ金額が発生するケースもあるため、少し多めに資金計画をしておくことをおすすめします。
任意売却物件を買う際に気をつけるポイント
任意売却物件の購入を検討する際には気をつけておきたいポイントがあります。
「差押え取り消し・競売の取り下げ」と「手付金」についてです。
詳しく見ていきましょう。
(1)差押え取り消し・競売の取り下げについて
任意売却物件は物件が売りに出る前に、債権者に差押さえられ裁判所にて競売の申立を受けています。
そのため、物件を購入する際には「差押えの取り消し」と「競売の取下げ」の手続きをする必要があります。
一般的には司法書士によりきちんと手続きされますが、手続き漏れを防ぐためにも入念にチェックをしましょう。
(2)手付金について
通常の不動産売買の場合は、売買契約締結をする際に購入価格の10〜20%程度の手付金を売主に支払います。
ただし、任意売却物件の場合は例外です。
売主である債務者に手付金を支払うと金銭的トラブルになる可能性があるため、売主側の不動産会社にお預かりという形で支払います。
手付金は最終的な決済の際に支払うようになります。
このように任意売却物件の手付金は例外で、売主に支払うのではなく、不動産会社に預かってもらうというポイントを知っておきましょう。
任意売却物件について詳しく知ってから購入しましょう
任意売却物件には安く購入できるという大きなメリットがある反面、様々なデメリットがあることも知っておきましょう。
特に物件の引き渡しまでに時間がかかることが多くありますので、早めに計画して、物件購入までに余裕を持つことが大事です。
また通常の不動産取引と比べ、手続きやトラブルも多くなってしまうことも事実のため、信頼できる不動産会社選びが重要になります。
任意売却物件について詳しく知り、素敵な物件を見つけてください。
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