株やFXに比べると、比較的ミドルリスク・ミドルリターンで知られている不動産投資ですが、実際にマンションオーナーになるとどんなメリットがあるのでしょうか。
また、マンションオーナーになるにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
近頃ではサラリーマンの方でも取り組まれている人が増えている、マンションオーナーについて詳しく解説していきます。
マンションオーナーとは?
マンションオーナーとは文字通り「マンションのオーナー」のことですが、マンションオーナーは大きく2パターンに分けられます。
それは区分マンションオーナーと一棟マンションオーナーです。
区分マンションオーナーとは、マンションの中の一部屋に投資をすることで、その部屋のオーナーになるわけですね。
一棟マンションオーナーは、一棟マンションの全てのオーナーとなります。
マンションのオーナーになることで、入居者から毎月家賃が入ってくるという仕組みになっています。
マンションオーナーの他にもアパートに投資することでアパートオーナーになることもありますが、大きくまとめて不動産オーナーと呼ばれています。
このようにマンションオーナーでも区分なのか一棟なのかという違いがあるように、両者には様々な違いがあります。
区分・一棟マンションオーナーの違い
区分・一棟マンションオーナーでどのような違いがあるかについてですが、両者の違いは大きく分けて、
- 購入価格
- 空室リスク
- オーナーとしての権限
が挙げられます。詳しく見ていきましょう。
(1)価格
まずは価格の違いについてですが、当然一棟マンションに比べ、区分マンションの方が価格が安くなります。
不動産価格はエリアや築年数によって大きく差があるのですが、郊外の区分マンションの場合は数百万円~販売されており、東京都心のエリア・築年数に優れた物件の場合は数億円で販売されているケースもあります。
一棟マンションの場合もエリア・築年数で大きく差がありますが、東京都心のエリアに優れた物件の場合は数億円~販売されています。
(2)空室リスク
区分マンションと一棟マンションでは空室リスクの高さに違いがあり、一般的には区分マンションの方が空室リスクが高いと言えます。
その理由は、区分マンションを一部屋所有しているだけの場合、空室になると家賃収入がなくなるためです。
区分マンションの場合は0か100かになるわけですね。
その点、一棟マンションの場合、一部屋空室がでた場合でも他の部屋に入居者が入っていれば家賃収入が入ってくるため、空室リスクでみると区分マンションの方が高いということになります。
しかしこれはエリアによって大きく異なり、東京都心の区分マンションの場合ですと入居者が付かないことはほとんどありません。
一概には言えませんが、不動産の開発・販売・管理をワンストップで行なっている不動産会社の管理物件の入居率は90%以上を誇っていることも少なくありません。
(3)オーナーとしての権限
次にオーナーとしての権限についてですが、区分マンションの場合には、一つの建物に対して複数の所有者がいます。
建物・設備の管理運営については、複数いるオーナーが話し合いをして進めることになります。
そのため、物件をリノベーションして付加価値を高めたい、管理状況を改善したいと思っても自分一人では決められないのです。
一棟マンションのオーナーの場合は、ご自身の裁量で決めることができます。
両者の様々な違いについて知っていただけたと思いますので、次は実際にマンションオーナーになる際にかかる費用について解説していきます。
マンションオーナーになる際にかかる費用とは?
では実際に不動産投資を始め、マンションオーナーになる際にはどのような費用がかかるのか見ていきましょう。
- 売買契約書の印紙代
- 金銭消費貸借契約書の印紙代
- 登録免許税
- 司法書士費用
- 抵当権設定費用
- 仲介手数料
- 火災保険手数料
- 不動産取得税
- ローン手数料
上記がマンションオーナーになる際にかかる費用です。
不動産投資を始める際は購入価格のおおよそ7%が初期費用としてかかります。
初期費用は購入する不動産価格によって計算方法が変わります。
不動産投資を始める際に必要な費用について詳しく紹介しているサイトがありましたので、こちらも合わせて参考にしてください。
マンションオーナーの収入について
マンションオーナーの収入には「インカムゲイン」と「キャピタルゲイン」の二パターンあります。
インカムゲインは購入したマンションを第三者に貸し出すことで、毎月得られる家賃収入のことを指します。
キャピタルゲインは売却した際に得られる差益のことを指します。
マンションオーナーは基本的にはインカムゲインで安定した家賃収入を受け取りながら、不動産価格が高騰した際に売却することが理想ですが、近年ではバブル期のようなマンション価格が大幅に上がることは考えにくいため、不動産を持ち続けて老後の資産として備えておくことが大半となります。
マンションオーナー「5つのメリット」
マンションオーナーになる際の費用について知ったあとは、マンションオーナーのメリットについて解説していきます。
メリットは大きく分けて、
- 節税
- 年金対策
- インフレ対策
- 生命保険代わり
- 相続税対策
が挙げられます。詳しく見ていきましょう。
(1)節税
不動産投資を始めると節税効果が見込めます。
それは先述した不動産投資を始める際にかかる費用を経費として計上できるからです。
また、不動産をローンで購入する際にかかる借入金利・固定資産税・減価償却費・修繕費や管理費・火災保険料・投資のために発生した交通費なども経費として計上できるのです。
しかし、節税対策として不動産投資を行うことは間違いです。
その理由は、そもそも経費以上の家賃収入がなければ、投資をするメリットが少ないからです。
また、最終的に利益を出せばその分の税金は収めることになります。
節税効果が期待できるのは、大きな経費がかかる不動産購入初年度だけでしょう。
(2)年金対策
二つめのメリットは年金対策です。
早いうちに不動産投資に取り組み、安定した家賃収入が入る仕組みを作っておくことで、老後の年金の足しにすることができます。
今では社会保障・年金事情が大きく揺れていることで、将来に不安を持っている方も多くいます。
また貯金をしていても金利はごくわずかなものなので、安定してミドルリターンを狙える不動産投資を考えてみるのもいいかもしれません。
(3)インフレ対策
現在日本はインフレ傾向にあることは多くの人がご存知だと思います。
たとえば、今まで1,000円で購入できていたものがインフレによる物価の上昇により2,000円になったとします。
これは物価が上昇したという見方もできますし、お金の価値が減ったという見方もできます。
つまり、インフレになるということはお金の価値が目減りしていくということになります。
現在日銀が物価上昇率2%を目標に金融緩和を続けています。
物価上昇率2%を達成した際にはお金の価値が2%目減りするこ考えられます。
それに引き換え、不動産は実物資産となりますのでインフレにも対応ができる投資先となります。
(4)生命保険代わり
不動産は投資用ローンで購入した際に団体信用生命保険が適用されます。
団体信用生命保険とはオーナーに万が一のことがあった場合に保険が適用され、残っているローン残債を全て返済してくれるのです。
そのため残債の無い不動産が手元に残り、安定した家賃収入を受け取ることができます。
もちろん不動産を売却してキャッシュを手に入れることもできますので、万が一に備えた生命保険代わりになるのです。
(5)相続税対策
マンションオーナーになることで相続税対策もできます。
不動産投資が相続税対策になるのは相続の際の評価額の計算方法に理由があるためです、通常現金で相続をした場合、額面金額そのままが相続税の計算基準になります。
一方、不動産を相続する場合は土地と建物の時価で計算するわけではなく、固定資産台帳や路線価などで計算するため、現金で相続する場合に比べ約3分の1から4分の1にまで圧縮することができます。
マンションオーナー「3つのリスク」
マンションオーナーにはメリットだけではなく、リスクもあります。
マンションオーナーとして成功するためにはいかにしてリスクをヘッジをするかが重要になります。
ここではマンションオーナーの3大リスクについて解説していきます。
(1)空室リスク
マンションオーナーのリスクとして一番に挙がるのが空室リスクでしょう。
収益不動産を購入してマンションオーナーになったとしても入居者がいなければ家賃収入が入ってくることはありません。
そのため、マンションオーナーになる際は賃貸需要の高いエリア選びが重要になります。
東京23区内で駅徒歩10分以内などのエリアであれば入居者が決まらないということはほとんど無いでしょう。
郊外の駅から遠い物件などは入居者が決まりづらい傾向にあるため注意が必要です。
東京都心の物件は郊外と比べ価格が高い傾向にありますが、不動産投資は入居者が居てくれて初めて成立つ投資のため、空室リスクに備えることを一番に考えるべきでしょう。
(2)経済的リスク
経済的リスクとして知っておきたいポイントが金利の上昇です。
不動産は高額な商品のため、金利が1%違うだけでも大きな金額差があります。
不動産投資は金融機関から融資を受けて始める場合が多く、融資を受ける際のほとんどが変動金利となっています。
変動金利の場合は市場の動向と連動することが多いので当初よりも金利が上昇する可能性があり、計画していた通りのキャッシュフローとは変わってくる可能性があるため思わぬ出費が発生することがあります。
(3)倒壊リスク
次に不動産の倒壊リスクについてですが、所有している不動産が万が一震災などで倒壊してしまった場合は当然家賃収入は無くなり、ローン残債のみが残ります。
このような最悪のケースを避けるため不動産を選ぶ際には「新耐震基準」の物件を選ぶことが重要です。
新耐震基準は1981年に改正された建築基準法により見直された耐震基準であり、震度6強の大震災でも倒壊しないことを前提としています。
驚くことに東日本大震災や熊本地震の時に倒壊した新耐震マンションは0棟となっていることから、地震に対しての耐久性の高さがわかります。
区分・一棟マンションオーナーはどちらがいいの?
不動産投資を始める場合、区分か一棟はどちらが良いかについてですが、これはご自身の投資スタンスや不動産投資を通じての目的により変わるため信頼の置ける不動産会社の担当者と話をしていくことが一番なのですが、不動産投資初心者の方は区分マンションから始めることが良いでしょう。
その理由は区分マンションの場合は少額で始めることができ、管理も手がかからないためです。
価格が比較的安い区分マンションから始め、マンション経営に慣れていった上で一棟マンションに取り組むことが理想でしょう。
マンションオーナーになる際は会社選びが重要
これからマンションオーナーになろうと考えている方や、マンションオーナーについて詳しく話を聞いてみたいとお考えの方に注意していただきたいのが、不動産会社選びは今後のマンション経営を大きく左右する重要な選択になるということです。
マンションオーナーの営業手法の大半は、職場に電話をかける、街中で名刺配りをするなどです。
そこから話を聞いてはっきりと自分の意思を伝えられる方ならいいのですが、断り下手な方は営業マンの話を聞くがまま購入を決断している場合もあります。
中には不動産会社側の都合のいい物件を販売されているケースもあるため注意が必要です。
マンションオーナーになる際は、ある程度の知識をつけ、信頼できる会社に相談をすることが大事です。
マンションオーナーについて正しい知識をつけましょう
マンションオーナーについて詳しく知っていただけたでしょうか。
不動産投資は株やFXよりも安定した家賃収入が入ることに加え様々なメリットが多くあります。安定した収入とはいえ、あくまで投資であるためリスクもあります。
不動産投資を成功させるためにはエリア・築年数・間取り・設備など様々な要因がありますが、一番重要なことは信頼の置ける不動産会社から購入することです。
不動産は安い買い物ではありませんので、この会社なら安心できるという不動産会社を選びましょう。
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