アパート経営をしている方をみると、安定した収入で豊かに暮らしている人が大勢います。
しかし実際にアパート経営について考えてみると多額の借金を抱えて破産してしまったらどうしようかと考えてしまうものです。
不動産会社の人に聞こうにも「売る側」の話のためデメリットについて詳しく説明してくれるかどうか分かりません。
そこで今回はアパート経営に失敗してしまう人の特徴や対策方法について詳しく解説していきます。
アパート・マンション経営の仕組みについて
まず始めにアパートやマンション経営についてですが、一括りにまとめると、不動産投資のことです。
簡単に説明すると、不動産を実際に住む目的ではなく、人に貸すために購入します。
購入した不動産を人に貸すことで、毎月安定した家賃を得ることが不動産投資となります。
不動産投資の中でもアパート・マンションに分かれるのですが、「アパート経営」はアパート一棟を丸々所有して、人に貸すことが大半です。
中には一室を自宅にする方もいらっしゃいます。
かつては、地主が所有している土地にアパートを建築して運営するのが一般的で相続税対策などにも有効的でした。
しかし昨今では、公務員やサラリーマンの方によるアパート経営が拡大しており、副業感覚で本業と同等程度の収入を得ています。
一方、「マンション経営」はアパートと同じように一棟丸ごと所有するケースと、一部屋だけ所有する「ワンルーム投資」があります。
ワンルーム投資については分譲マンションの一部屋を購入して人に貸し出しますが、一棟と比べて得られる収入も購入価格についても大きな差があります。
詳しい違いについては以下のサイトを参照ください。
今回解説していくアパート経営に失敗する人に特徴や回避法については、アパート経営もマンション経営も違いはありませんので、同じだと考えて見てください。
アパート経営で失敗して破産する原因
アパート経営が上手くいかず、失敗してしまうことで破産してしまう方もいます。
アパート経営は単身向け物件の入居者は平均で約1〜2年ほどは住み続けてくれ、ファミリー層であればさらに長期で住んでくれる可能性が高く、比較的に安定した収入が入ってきます。
ではなぜ破産してしまうまでアパート経営が失敗してしまうのか、その原因は「空室が続く」、「返済できなくなる」ことが挙げられます。
空室が続く原因は、所有物件が入居者のニーズと合っていないことや立地が悪いこと、管理会社を上手く活用できていないことが大きく関わります。
返済できなくなる理由も同じく入居者が付いてくれないことや、想定していた収入が得られないことが挙げられます。
通常は入居者が一定期間付いていなくてもアパート経営を立て直すことができるのですが、次に解説していくことのように、立て直しが厳しい状況まで失敗してしまうと破産に繋がってしまう可能性があります。
ではアパート経営で失敗してしまう原因についてみていきましょう。
アパート経営で失敗する7つの原因と対策方法
一般的にはアパート経営で失敗することは少ないと言われています。
アパート経営は株やFXに比べて収益が安定しており、ミドルリスク・ミドルリターンの投資と言われています。
また、専門的な資格なども必要ありません。
では何が原因で失敗してしまうのか、その対策方法についても見ていきましょう。
(1)利回りだけを重視している
アパート経営における利回りは「表面利回り」と「実質利回り」の二つに分けられます。
表面利回りとは、購入価格に対する年間家賃の割合のことです。
例えば、価格が3,000万円で年間家賃収入が300万円だとすると、利回りが10%になります。
計算式は「年間家賃収入÷購入価格×100」となります。
各不動産ポータルサイトなどで表記されている利回りの多くは表面利回りです。
対して実質利回りとは、年間家賃収入から年間支出(物件の光熱費や管理費など)を引いて計算するため、表面利回りよりも低くなります。
つまり、表面利回りの場合は年間でかかる経費については計算していないため、概算でしかないのです。
年間で物件管理にかかる費用は想定通りにいかないことが多く、家賃も購入当初よりも下がってくる可能性があるため、利回りだけを重視して物件を購入すると失敗の原因となります。
また、相場よりも利回りが高い物件は販売価格が安いということが多くあります。
しかし販売価格が安いのにはそれなりの理由があることにも注意しましょう。
【対策方法】実質利回りに注目・高利回りの理由を知る
不動産会社の担当者などに利回りを聞いても、表面利回りで説明をしてくる場合があります。
各ポータルサイトの表記でも同じです。
そのため、実際に年間でかかる費用についてや実質利回りではどの程度なのかに注目しましょう。
また、利回りが相場よりも高い場合などは、高利回りの理由を確認しましょう。
利回りの高い物件には想定家賃が相場よりも高く計算されていて入居者が全然付いていないことや、高額なメンテナンス費用がかかる予定があることなどが考えられます。
販売会社が相場価格を把握していないことや、売主が低価格でも早く売りたいため、利回りが高くなっている場合などであれば問題ありません。
(2)必要知識を持っていない
アパート経営は収入が安定していることや専門的な資格などは必要ありません。
最近では頭金が少額もしくわ無しで始めることも可能となっており、サラリーマンの方でも取り組む人は増えています。
しかし簡単に始めれるからと、知識の無い状態でアパート経営を初めてしまうと失敗してしまう可能性があります。
アパート経営は入居者のニーズに合うお部屋を提供してあげることで初めて成り立つ投資です。
入居者のニーズは多様であり、築年数が古くなってきた物件に手を付けないことや、家賃設定を間違えてしまうと空室になる可能性も十分あります。
築年数が古くなると部屋をリノベーションしたり、wi-fiを無料にしてあげたりなど様々な工夫をして空室を減らすことが大事です。
何も勉強せずに物件を持っているだけで入居者がいると考えていると失敗の原因となります。
【対策方法】必要知識=空室を減らす方法などを勉強する
空室を減らす勉強といえば抽象的ですが、アパート経営は極論、入居者からきちんと想定家賃が入っていれば成り立ちます。
しかし時代の変化により、同じ家賃で同じような間取りの物件でもwi-fi無料やオートロック付きなど差別化を図っていく必要があります。
築年数の経過具合や時代の流れなどに合わせた入居者満足度を高めていく、つまり空室を減らしていくことが大事なのです。
(3)立地選びの間違い
アパート経営において、立地選びは非常に重要な要素です。
あなたも賃貸物件に住んだことがあるならば「駅からもう少し近ければいいな」、「市街地からもう少しアクセスがよければいいのにな」などと思ったことはありませんか?少しでも近ければいいな程度であればまだ良いですが、アクセスがかなり悪かったり駅からかなり遠いとなると住もうとは思いません。
私が賃貸不動産会社で営業をしている時のお客様の中では、「駅から5分以内限定」、「主要駅から3駅まで」などはよくある条件でした。
賃貸物件にはお客様が求めるニーズに100%合う物件というのは絶対になくて、譲れない条件を3つ挙げてもらっていたのですが、立地についての条件は必ずと言っていいほど入っていました。
そのため、価格が安いという理由で立地が悪くても購入してしまったり、利回りだけを重視して立地を気にせずに購入したりしてしまうと、肝心の入居者が付かずに失敗してしまう可能性があります。
東京都心は毎年人口が増えている立地であるため安心できるのに対して、人口が減少傾向にある地方であれば立地選びには慎重に望むべきです。
【対策方法】立地選びにはこだわる
先述したように立地選びは非常に重要です。
不動産会社の担当者と話しながら、人気のエリア調査・市街地からのアクセス・駅からの距離などにこだわることが大切です。
また、物件が想定入居者のニーズに合う立地であることも調べましょう。
物件の間取りが1K〜1LDKなどで、家賃が安めである場合は入居者は年齢が若いの人になりやすいです。
年齢が若い入居者は近くにコンビニやスーパー、市街地からアクセスが良いことなどを求めています。
ファミリー向けの2DK以上の間取りの物件の場合ですと、入居者が求める立地はお子さんのことを考えて、治安のいい場所・近くに子供と遊べる公園がある場所・スーパーが歩いて行ける距離などであるため、購入予定の物件がニーズに合っているかを確かめましょう。
(4)管理会社を活用できていない
アパート経営に失敗しないためには管理会社を活用することも大事です。
入居者を自分で見つけてくることは難しいため、管理会社を上手く活用できていないと失敗に繋がることがあります。
また、アパートを管理するということは「入居者の募集」、「緊急時の対応」、「家賃の管理」、「クレーム対応」など様々であることから管理会社に委託するケースがほとんどです。
委託する際は不動産会社に管理料として5%〜10%程度を毎月支払う必要があります。
管理料が惜しくて自主管理するオーナーもいますが、これはデメリットが多く失敗する可能性が高くなります。
【対策方法】専門家に任せて多少融通を利く
アパート管理は大変であり、自分で行うことはあまりおすすめできないため、専門家に任せる方がよいでしょう。
しかし専門家に管理を任せたからと安心できる訳ではありません。
管理会社もその物件だけでなく他にも物件を多数管理していることがほとんどです。
その中には自分の物件と同じような間取りや家賃の物件もあるでしょう。
管理会社から入居者を多く紹介してもらい、空室を減らすためには管理会社から好かれるオーナーであることが大事です。
入居者が部屋を探している時に多少のわがままを言うケースは多くあり、そのわがままの相談に乗ってくれるオーナーであると思ってもらうようにしましょう。
例えば、賃貸物件の入居は1ヶ月前から契約して入居することがほとんどですが、「今日、物件を押さえて1ヶ月半後に入居したい」などのわがままを聞いてくれるオーナーは以外にも少ないのです。
これは即入居のお客様が現れるかもしれないため、物件の申込みを受け付けたくないのです。
このような相談も「あの大家さんだと相談に乗ってくれるかも」と思われるようなオーナーになれば、不動産会社からの紹介も増えてくることでしょう。
(5)節税目的だけで購入している
アパート経営は節税効果があると聞いたことがある人は少なくないはずです。
アパート経営を始めると毎年確定申告をする必要があります。
サラリーマンで給料をもらっている人は年収に対して諸々の控除を差し引いた額に所得税や住民税がかかります。
アパート経営を行うと、その年にかかった経費が確定申告で計上できるのです。
アパートを購入した初年度は特に、年間の収入よりも支出の方が多く赤字となることが多いのですが、この赤字分を給与所得と合算して、所得税や住民税を下げることができるのです。
初年度以降でも、物件の管理費や修繕費、固定資産税や減価償却費など、アパート経営を行う上でかかった経費を計上することが可能であり、こうした経費で赤字化した分を確定申告で給与所得と合算して結果的に節税ができるのです。
しかし、あくまで年間を通して「赤字」となった場合に節税効果がある訳であり、本来の目的であるアパート経営で黒字化すると、その利益に対して税金がかかってきます。
つまり、利益の出ないアパート経営の場合に節税効果がありますので、利益の出るアパート経営とは相反する関係なのです。
【対策方法】利益の出るアパート経営を実現する
もっとも大切なことはアパート経営で利益を出すことです。
節税というキーワードでアパート経営を勧めてくる不動産会社もいるため気をつけましょう。
節税目的で物件を購入して赤字を出し続けていると、金融機関からの融資も受けられなくなる可能性もあります。
金融機関は赤字の企業や個人に資金を貸したくないように、アパート経営で赤字を出している場合も同じなのです。
追加で融資が受けられなくなると、今後良い物件が出てきても購入できないケースがあり、アパート・マンション投資家においては最悪の事態となります。
アパート経営で利益を出すという本来の目的から、節税目的だけで物件を購入してしまうと様々なリスクを伴い、失敗してしまう可能性があるのです。
(6)入居者のニーズと合っていない
入居者のニーズと合っていない物件もアパート経営で失敗する原因となります。
これは先述した物件の立地選びにこだわる必要性と同様に、単身者の多い地域の物件は1K〜1LDKが好まれ、2DK以上の間取りは入居者が集まりづらく、空室の原因となってしまいます。
また、その地域の家賃相場を把握できていないことで、相場よりも高い家賃設定をしてしまうことも同様です。
アパートに住んでいる入居者にも気を配る必要があるでしょう。
例えば、大学の近くの物件で入居者は学生をメインで考えている物件に、社会人を入居させてしまう場合などは、入居者の多くは学生のため騒音が気になる可能性があり、他の入居者からのクレームが発生するケースが多々あります。
逆に、学生が物件を決めようとした際に社会人が入居している場合はネックになる可能性もあります。
このように、物件の入居者のニーズをしっかりと把握していないと、アパート経営に失敗してしまう可能性があります。
【対策方法】入居者のニーズを考えて物件を管理する
アパートを購入する・建築する際にはどのような入居者が住むかを考えておきましょう。
入居者のニーズを捉えるためには、「周辺の物件の平均間取りや家賃を調べる」、「周辺の物件の入居者率を調べる」、「物件のエリアの市役所や区役所で男女比や年代を調べておく」ことが大事になります。
周辺の物件の平均間取りや家賃を調べることでどのようや間取り・家賃が当てはまっているのかが分かります。
入居率を調べる際にはそのエリアにある不動産屋に聞くことやスーモやホームズなどで検索すること、実際に物件を見て空室がいくつあるかを確認しましょう。
男女比や年代を調べることでさらに具体的な入居者のニーズを捉えることが可能です。
確認は市や区のホームページでできます。
載っていない場合は実際に足を運ぶか電話で確認してみましょう。
(7)不動産会社に勧められるがままに購入する
不動産会社の話を聞いて、勧められるがままに購入するパターンも失敗に繋がる可能性が高いです。
自分の判断基準を持たずして不動産会社の営業マンの言うことを全面的に聞いていると後で後悔することになります。
多くの不動産会社の営業マンは物件を売ることで仲介手数料を得ることを目的としているため、必ずしもアパートオーナーのことを考えてくれているとは限りません。
また、ひどい場合は不動産を売っておしまいということもあります。
勧められるがままに購入したものの「想定通りに入居者が見つからない」、「空室が目立ってきた」となっても損するのは不動産会社ではなくアパート経営者です。
不動産のプロである担当者に話を聞くのはもちろん大事なことですが、自分の判断基準を持って話を勧めていかなければ失敗に繋がります。
【対策方法】自分の判断基準を持って話を勧める
アパート経営やマンション経営を行うのは、誰のためでもなく自分のためです。
購入する際は自分の責任で購入することになります。
アパート経営が上手くいかずに困るのは自分であり、利益を出して豊かになるのも自分です。
そのため、アパート経営についての知識を付けて専門的で分からない部分に関しては不動産会社の担当者に相談しながら検討していきましょう。
自分の判断基準を持っていない状態で物件の購入を検討するのはまだ早いと考えましょう。
また、信頼のおける不動産会社に相談することも非常に重要です。
業者によっては物件を売った後にサブリーズ契約という家賃保証をしてくれる会社もあります。
随時、状況を聞いて相談に乗ってくれる担当者もいます。
アパート経営をする際は自分なりに知識を付けて、信頼のできる不動産会社の担当者から購入するようにしましょう。
アパート経営で失敗しないために信頼できる会社を選ぶ
アパート経営を失敗させないためには様々な方法がありますが、中でも重要なのがパートナーとなる不動産会社選びです。
不動産会社のプロであるパートナーがオーナーのことをしっかり考えてくれていないと、成功させることが困難になります。
中には不動産を売って終わりという会社もあります。
会社選びには慎重になりながら、自分でもある程度の知識を付けておくことが大事です。
アパート経営で失敗をしないために知識を付けましょう
アパート経営は安定した収入が入ってくることや、ミドルリスクと言われていることから、正しい知識を付けていないまま取り組んでしまい失敗に繋がる可能性があります。
アパート経営を成功させるためには希望通りの家賃で満室を保つことが重要です。
いくら失敗の少ないと言われているアパート経営でも人が住みたくないと思う物件であれば上手くいきません。
今回紹介した失敗に繋がる原因をおさえて、アパート経営を成功に導きましょう。
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