【なぜ崩壊した?】土地神話が信じられていた時代とは?バブルとの関係も!

売地の画像

振り返れば信じがたい事実ですが「不動産を買えば必ず値上がりする」、「不動産には絶対的な価値がある」という土地神話がありました。

土地神話が信じられていた時代も現在も不動産価格は値上がりすると予測できることはありません。

それでもなお、買い続ける人が後を絶たない状況が続いていたのはなぜでしょうか。

また、そもそも土地神話ができたのはなぜでしょうか。

土地神話ができた頃から崩壊までを詳しく解説していきます。

土地神話はなぜできたのか

クエスチョンの画像

経済学の基本的な考えとして、重要が高い物は価格が上がり重要が低い物の価格は下がるとされています。

土地や不動産の価格は、その土地や不動産で儲けられる金額によって決まります。

例えば需要の高い土地を購入して商売を始めた場合に少なくとも年間で2,000万円の利益が見込める場合に、土地の所有者は相場よりも多少高い金額で売りに出しても買い手が付くでしょう。

利益だけでも5年あれば元を取れる計算になる上に、土地神話が信じられていた時代には土地値が上昇し続けていたためにすぐに転売するだけでもキャピタルゲインが見込めていたのです。

こうして戦後、日本の土地や不動産の価格は上昇し続けたのです。

また戦後の日本では輸出が伸びており、それに伴って商工業が発達していたため、商業地や工業地の需要が増えていました。

そうなることでオフィスや工場で働く人の住む場所も必要になってくるため、近くの山や農地までもが開発されていきました。

例え山の斜面という住むのに適していない土地であっても、住むことさえできれば土地の値段は上がりました。

このように農業よりも商業や工業の方が遥かに儲かるため、商工業に適している土地の値段が上がったのです。

このように土地の価格が異常なまでに上昇し続けるという信じられないようなことが都市部を中心に起こり始めて、地方都市にまで広がっていきました。

日本の土地値は40年間も下がることなく上昇し続けて、土地神話ができあがったのです。

 

土地神話の崩壊

土地神話ができあがり「土地が値下がりすることはない」、「土地を持っていれば損をすることはない」という考えが定着していった結果、銀行は土地や不動産を担保にして融資をすることが当たり前になりました。

土地や不動産を持っていれば融資できるが、持っていない場合は融資できない状況になり、土地を持っている人と持っていない人で大きな差が付くようになりました。

優れたビジネスモデルを持っていたとしても土地がなければ銀行からの融資を受けることはできず、土地を持っていないと話が進まない状況になっていたのです。

このような風潮が蔓延していき、さらに土地値が上がっていきました。

土地に対する需要が供給よりも増えていくことで、地価は経済学で考えるよりも明らかに高くなったのです。

そのような状況が進み1980年代後半に巨大な貿易黒字が発生した頃の土地は投機目的で売買されるモノになっていきました。

当時は土地を持っていれば儲かるため、持っている土地を増やしていけばさらに儲かるという風潮になり、買った土地を担保にして銀行から融資を受け、さらに土地を購入するということを繰り返していきました。

それに伴い土地の価格がドンドン上がっていき、資金は株式市場まで流れていき、株価を押し上げていきました。

しかし土地価格が異常に上昇すると産業活動に支障が出ます。

商業ビルを建てたり、工場を建てようと計画しても土地が高すぎて採算が合わなくなります。

そのため、政府は経済にマイナスだと考えて土地の売買に対して通達を出しました。

土地購入のための融資に制限を設け、地価の高騰を抑える「総量規制」に出たのです。

これを境に土地売買の動きが変わり、バブルの崩壊が始まったのです。

 

現在の地価動向について

右肩上がりを表す画像

(1)全国の地価動向

地価の上昇は1991年〜1992年にピークを迎え、その後大きく下落しています。

これはバブルが崩壊したと同時に地価が大幅に減少したものです。

しかし現在の調査時点(2018年3月末)の地価動向は、全用途平均(商業地・住宅地・工業地の平均、以下同じ)で前期比0.2%となり、バブル崩壊後26年ぶりに上昇に転じています。※一般社団法人日本不動産研究所調べ

商業地は、インバウンド需要や大都市を中心に好調なオフィス需要をうけて、上昇傾向が続いており、前期比0.4%上昇(前回0.1%)と堅調に推移しています。

住宅地においては、交通利便性に優れている地域や住環境の良い地域では全国的に上昇傾向が続き、高齢化や人口減少を背景に下落傾向が続く地域においても、長期の下落による値頃感から下げ止まりから上昇に転じる地点も出現しています。

また、低金利や減税等を背景に需要の回復も見られることから地価は回復傾向にあり、前期比0.2%(前回0.0%)と横ばいから上昇に転じています。

(2)地方別の地価動向

地方別の地価動向では「関東地方」や「東北地方」等、地価が上昇傾向にある地方では上昇が続いている一方、「四国地方」や「北陸地方」では、下落傾向が続いていますが下落幅は縮小しています。

「関東地方」、「近畿地方」の商業地等を除き、多くの地方において全ての用途で長期にわたる下落傾向が続いていましたが、下落率は年々縮小しており、さらに近年では横ばいから上昇へ転じる地方も多く見られるようになり、回復傾向が顕著になっています。

(3)三大都市圏の地価動向

三大都市圏の最高価格地は「東京区部」で前期比3.4%上昇(前回3.2%)、「大阪圏」で前期比2.1%上昇(前回1.8%)、「名古屋圏」で前期比1.1%上昇(前回1.2%)となり、上昇傾向が継続しています。

商業地ではオフィス市況の賃貸需要は堅調であり、空室率は低水準が続いています。

また、投資需要も引き続き旺盛ですが、投資物件の供給は限定的であること等を背景に上昇傾向が続いています。

工業地でもeコマースの拡大をうけて物流施設用地の需要が旺盛なこと等から地価は堅調に推移しています。

その結果、全用途平均でも全ての都市圏で地価の上昇傾向が継続してます。

 

今後の地価動向について

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全国では概ね今回と同程度の地価動向が継続する見通しです。

「三大都市圏」でも概ね今回と同程度の地価動向が継続する見通しです。

不動産投資市場の動向を強く反映する三大都市圏の最高価格地では、利回りの低下を懸念する声も聞こえており、上昇率についてはやや縮小傾向となる見込みですが、 根強い投資ニーズや好調なオフィスの賃貸需要等に支えられ、今後も上昇傾向は続く見通しとなっています。

 

土地神話が信じられていた時代と現在の比較

日本のバブル経済は1980年代後半〜1992年頃までが最盛期とされています。

全国で見た宅地価格は1992年を境に下落が続いていることから「土地神話」がバブル崩壊までいかに強く信じられていたのかが分かります。

土地神話が崩壊した後の宅地価格はピーク時と比べ大きく下回っていますが、現在では都市部を中心に回復傾向にあります。

特に東京都心部や大阪の中心部では「加熱」していると言われるほどの価格上昇を続けております。

2020年東京オリンピック終了後に地価の下落を予想する人は少なくありません。

しかし現在の価格上昇の背景には訪日外国人観光客に人気エリアの店舗やホテル等の、インバウンド需要が旺盛なことをはじめ、条件の良い地方の住宅地、関東地方では圏央道や外環道の開通による交通利便性の工場に伴ったモノです。

つまり投資需要の高い三大都市圏の一部の土地に限られているのです。

土地神話が信じられていた時代に多かった土地を購入し、売却した際の売却益(キャピタルゲイン)を狙った投資よりも、安定した家賃収入(インカムゲイン)を狙った長期的な投資に後押しされているものだと考えられます。

長期的でインカムゲインを狙った不動産ビジネスにおいても、土地神話時代と同様で「絶対」というものはなく、投資である以上リスクもありますので安心はできません。

しかし土地神話が信じられていた時代の異常なまでの地価高騰と現在の地価高騰では同じではないと言えるでしょう。

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